備忘録86 「大連理工大学訪問」

86.-2012.12.24 大連理工大学を訪問し、共同研究ワークショップを開催

 2012年12月11~15日に大連を訪問した。 JSTの戦略的国際科学技術協力推進事業 「日本-中国研究交流」に採択された大連理工大学との共同研究「効率的排水管理のための毒性評価と毒性削減手法の開発」の研究打合せワークショップの開催のためである。日本側は益永の他、国立環境研究所の鑪迫典久先生、産業技術総合研究所の林彬勒先生と内藤航先生など5名で、中国側は大連理工大学の全燮先生をはじめ王教授、張瑛副教授、陳朔副教授や関係の学生が出席し、ワークショップが始まった。初日の12日は、環境学院長の歓迎あいさつのあと、全教授と益永が開会のあいさつをした後、各メンバーが自分の紹介を兼ねた研究発表と共同研究に向けた提案のプレゼンテーションを行った。午後には、今後の研究についてディスカッションを行った。翌日の午前まで計画のディスカッションを行った後、環境学院の各研究室の見学などさせていただいた。3日目は大学キャンパスの視察などをした。 このような日中関係の冷え込んだ時期ではあるが、全体として共同研究に向けた友好関係を結ぶ有意義な交流ができた。以下に、今回の訪問の感想をいくつか述べたい。

 まず、宿泊所であるが、大連理工大学の隣にある中国大連高級経理学院のキャンパスにある宿泊施設を利用した。これは、新築の高級ホテルといった施設で、12階建であった。しかし、我々の泊まっていた間の他の宿泊客は極めて少ない様子であった。隣の建物にある大宴会場のような部屋に朝食が準備され(4泊間、朝食会場で他の客と会わず)、また、ホテルのロビーにはコーヒーショップや小さな売店が営業していたが、客がいることはなかった。経営的にどうなっているのか不思議であったが、このような豪華な施設を大学が持っていることに驚くしかなかった。

 大連はこの時期氷点下になることも多いはずである。我々の滞在期間は、到着した日がかなり寒かったが、幸いその後は少し暖かめの日が続き、雪もほとんど降らなかった。それでも、外は寒い。しかし、泊まったホテルや大学の建物内の暖房はかなり良く効いていた。エネルギー不足などは感られなかった。

 一日目の会議室は、同キャンパス内のホテルとは別棟の建物の中であったが、これも最新式のもので、国際会議もできるように、各席にマイクが設置され、正面にはプレゼンテーション用の大型液晶ディスプレーが2台設置されていた。 中国の教育施設の近代化が急ピッチで進められていることが感じられた。2日目の会議は環境学院のゼミ室を使ったので、これは日本の大学の普通の会議室と同じような部屋であった。

 大学の実験室も見せてもらったが、環境学院の共用分析室にはGC-MSやLC-MSなど、比較的新しい装置が揃っていた。大連理工大学は中国でも理工系ではトップクラスであるので、施設的なレベルもそれなりに高いように見えた。

  今回の共同研究のルールでは、日本側が訪中する場合の滞在費は中国側が負担、逆に中国側の日本での滞在は日本側が負担となっている。実際、訪中の間の行動は、朝食を除いていつも中国側の方が運転手付きの大学のミニバンで同行してくださり、苦労がなかった。また、食事では良い店を選んでくださったので、おいしい中華料理をいただくことができた。この応対の丁寧さには本当にありがたかった。しかし、日本でワークショップを開いた場合に、こちら側がそのような車や人を配置できるのかを考えると、多少なりとも憂鬱にならざるをえなかった。