HBCD等の製品中残留性化学物質のライフサイクル評価と代替比較に基づく環境リスク低減手法

研究について

 平成22年7月に、本学のこれまでの化学物質管理の実績をもとに申請させていただいた、環境省環境研究総合推進費「HBCD等の製品中残留性化学物質のライフサイクル評価と代替比較に基づく環境リスク低減手法」が採択されました。

 製品中化学物質の環境リスクの最小化には、対象物質と代替案(代替物質/プロセス)双方のライフサイクル(製造~使用~廃棄)を通じたリスクの把握が重要で、そのためにリスク削減すべきステージの抽出(ライフサイクルリスク評価)と、代替案間の総リスク比較に基づいた最適案の選択手法(代替比較)の開発が必要となりまする。  本提案では臭素系難燃剤等とその代替案を対象に、ライフサイクルリスク評価と代替比較を実施し、具体的な評価事例を提示したいと考えています。さらに事例の一般化からライフサイクルを通じた代替リスク評価手法を構築します。得られた情報や環境リスク低減手法に関する考え方は、前のプロジェクトで構築した横浜国立大学WEB SITE「化学物質リスク情報プラットフォーム」に搭載し、広く各方面に提供していきます。

更新履歴

2012/10/14

本プロジェクトの新ホームページを公開開始しました。

旧ホームページへのリンク

NEWS

2013/09/29

米国環境保護庁の「HBCDの代替難燃剤報告書」がパブコメ用に公開

 2013年9月24日に米国環境保護庁の「HBCDの代替難燃剤報告書」がパブリックコメント用に公開されました。このことについて備忘録87で紹介しました。

2013/03/21

「難燃剤とその代替物質のリスク」に関するワークショップを開催

 本研究課題の研究成果報告を兼ね、さらに欧州連合の研究プロジェクト"ENFIRO"の研究コーディネーターを勤めるPim Leonards博士、国立環境研究所の滝上博士、および、産業技術総合研究所の恒見博士という難燃剤の環境影響の研究を先進的に進めている方をお呼びしたワークショップを東京国際フォーラムで開催しました。

 ワークショップでは、Leonards博士から昨年終了した研究プロジェクト「特定の臭素化難燃剤の代替オプション事例研究(ENFIRO)」WEBサイトはこちら)の成果の報告があり、また、この成果をわかりやすくまとめた「Burning Questions」というタイトルの映画(約23分)も上映しました。日本側からも最新の研究成果の報告がありました。準備した同時通訳もかなりうまく行ったようで、各講演の後には活発な質疑も行われました。フロアからは規制を受けた難燃剤と代替難燃剤の比較について、より多方面からのリスクや環境性能評価をして欲しいという要望が出されましたが、これは私どもの研究の一つの目標でもあったわけですが、なかなか簡単ではありません。今後も取り組んでいかねばならない課題です。

2013/03/15

環境研究総合推進費H24年度終了課題報告会  

 環境研究総合推進費の終了課題報告会があり、益永が本研究の成果報告をしました。審査委員からはいろいろな質問がありましたが、概ね好意的に受けとめてもらえた様子です。まだ、最終報告書のとりまとめが残っているので、気を引き締めて取り組みます。

2013/01/30

3月21日(木)13:00~ 東京国際フォーラムで「難燃剤とその代替物質のリスク」に関するワークショップを開催します。

欧州コミッションがファンドを出している「特定の臭素化難燃剤の代替オプション事例研究(ENFIRO)」の研究代表者であるPim Leonards 博士の来日に伴い、「難燃剤とその代替物質のリスク」をテーマに企画しました。

また、難燃剤という比較的便益と環境リスクが特徴的に現れる研究に取り組んでいる研究グループ間で研究討論を行い、化学物質管理の最新情報の共有、研究交流関係の構築を進めることを目的としています。

1.Assessment of alternatives for specific brominated flame retardants: highlights of the ENFIRO project

講演者:Pim Leonards (Institute for Environmental Studies VU University Amsterdam アムステルダム自由大学)       *同時通訳予定                                

2.製品ライフサイクルにおける難燃剤の排出挙動とその制御方策について

講演者:滝上英孝(国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター)     

3.臭素系難燃剤からリン系難燃剤への代替に伴うリスクトレードオフ評価

講演者:恒見清孝((独) 産業技術総合研究所 安全科学研究部門)       

4.製品中HBCDのライフサイクル評価と代替比較に基づく環境リスク低減手法

講演者:益永茂樹(横浜国立大学大学院 環境情報研究院)         

ご関心のある方は是非お申し込み下さい。詳しくはワークショップ参加募集のお知らせをご覧下さい。

2012/11/20

「ブルッセルで開催されたENFIRO 2nd Workshopで招待講演」

 ENFIROとは、欧州委員会(欧州連合の政策執行機関)が資金を出した進めている特定の難燃剤の代替オプションに関する原型事例研究プロジェクトである。正式名称は、"Life Cycle Assessment of Environment-Compatible Flame Retardants: Prototypical Case Study” となっている。この第2回ワークショップが2012年11月7~8日にベルギーのブリュッセルで開催され、益永が招待され出席しました。

 我々の環境省プロジェクトでも臭素化難燃剤HBCDに関する代替リスク比較の研究を行っており、類似の研究ということで、メンバーの一人である真名垣さんが、ENFIROの研究代表者であるPim Leonards博士と国際会議で懇意になっていました。そのため、Leonards博士から日本からの発表をして欲しいという依頼があり、益永が研究の中間報告を行いました。

 ENFIROは非常に大規模な研究プロジェクトで、多分野にわたる多数の研究成果の発表がありましたが、それらは、多数のBFR代替難燃剤の性能やハザードに関する詳細な検討結果でした。最終的な結論はBFRを代替できる非臭素化難燃剤が存在するというものでした。 これに対し、我々の研究は、HBCDと代替物質をライフサイクルを通してリスクや環境影響を比較しようとしたもので、多数の代替物質の個々に調べるのではないが、HBCDと代替物質とを総合的に比較したという点で特徴があったため、発表の後で、興味深かったという意見を多数いただくことができました。

 ENFIRO Workshopに関する詳細は、「備忘録85」で報告しています。